No.39

成長を妨げるもの

相手との関係性を作ろうとする時、大切なのは「共感」することなんだと思う。
その人が経験しているであろう苦しみや、その人なりの感じ方を思い描き、
相手の気持ちを自分のことのように受け止めようと努力する時、
その人の人間味がわきたってくる。

この作業は面倒で困難で、時に苛立ちや苦痛が伴う。

そんな事をするよりは、気の会う仲間と一緒に自分を高めるようなことに没頭する方が何倍も楽しい。
そして関係がうまくいかない時、何かに取り組んでいるという事実は、
忙しくて関わる暇がないと言い訳するのにも最適だ。

これまで通り役職や立場に任せて相手を従わせる方が早くて簡単。
これが威力があるものだから、なかなか手放せず変化を妨げている。


平常時ならそれでもまぁ問題なくやり過ごせるかもしれない。

しかし、いざいう時はどうか。

企業で働いていれば大小関わらず、この「いざ」というタイミングは、結構な頻度で訪れる。


いつも以上に負荷がかかる状況で部下に無理をお願いしなければならない時、相手はどの程度協力的か。
懸命に取り組み繰り返しチャレンジし、困難に負けず最後まで成果を追う事をするだろうか。
それとも懸命なのは上辺だけで、適当に必死な様子装いながら他人事のように感じているだろうか。


関係性を構築する時、自分を高める努力とは自身の都合や利害を一旦脇に置いて、
共感する心で相手を人として見るという事に注ぐべきだ。
そこから目をそらしていては今ある関係性以上のものは、
手に入れることはできない。
相手との関係性を作るものは役職や役割、知識量でもなく、
自分が偉くても、偉くなったとしてもどうにもならないものなのだ。

自分の人的成長は今現在自分の周りにいる人たち、
そしてその人たちとの関わりの深度で測ることができるのかもしれない。

色々と学びの多い年初めである。